僕は遺品整理や不用品の処分に20年近く携わっている。
僕のスマートフォンの写真ファイルはゴミの写真でいっぱいだ。
妻が何げなく見ていたが、怪訝な顔をしながら
「かわいい女の子の写真の一枚もないのね」と苦笑いしていた。
僕はそのゴミと言われる写真を見ると、
それの所有者もしくは所有者だった人の顔が浮かんでくる。
不思議とどの顔も笑顔だ。
僕にはゴミの神様がついていると信じている。
僕の見積もりは巻尺や重量計なんかで測らなくても正確だ。
事務員がいつもどの様に積算したのかと首をかしげる。
しかしいつもとんでもなくピッタリと来るのだ。
だから僕の見積もりは誰にも教えられない。教えようがない。
きっと僕にだけゴミの神様が耳打ちしてくれるのだと思う。
僕はこの整理や片づけの仕事は「行間を読む」仕事だと考えている。
俳句や短歌では行間に想いや・可笑しさを封じ込める。
モノにはその人の想いが封じ込められている。
その時の喜び・悲しみいろいろな想いがそこに
置かれたモノを通して感じることができる。
一緒に働く仲間には偉そうだが
「行間を感じろ」といつも言っている。
そんなこちらの想いが伝わるのか、所有者の顔は笑顔になる。
所有していた人が故人であっても会えなくても、
そんな笑顔が見えてくるのだ。
この仕事は素晴らしい仕事だ、
だからもっと多くの人とゴミを通じて出会い笑顔にしたい。
この仕事と出会えたことにありがとう。
次を読む #02 親家片(おやかた)
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あの頃タウンの
小林さん
*あの頃・タウン*美虹町では、ときわ島在住。灯台守をしつつ、不定期で昭和生まれのこれからを、応援するチア・リーダーとして活動。
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美虹町*ときわ島
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小林さんについて、詳しく知りたい方は、リンク先に進んでください。
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「トトノ・エール」
ひろ美さんの話
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