昭和生まれのこれからの日々を 「トトノ・エール」 (整える/調える)
  〜小林さんの話 #6〜
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6. 高齢者のお引っ越し

サードライフを迎えるにあたり、お引っ越しをされる方は多い。
娘や息子の所への同居、高齢者マンション、
介護施設など様々な形がある。

この度お手伝いさせて頂いたのは、
サードライフを弟一家の所で過ごされるという、80代の女性だ。

女性は5K二階建てのお家にお住まいで、
最近足腰の具合が悪く、弟を頼って引っ越しを決意されたと言う。

依頼内容は、不要物の処分のみである。
しかし、見積もりに伺うと全ての部屋が物で溢れ、
例えばタンスや冷蔵庫といった不要物を出そうにも
物が邪魔をして出せない状態だ。

弟宅へ持って行ける品物はほんの一握りであり、
物で溢れた一軒家から絞り込むにはかなりの労力と時間を必要とする。

ご親戚が何人かで汗だくになって片付けてはいるが、
なかなか捗らない様子だ。
現場では、物の持ち主のご依頼者を囲んで
「これは要るの?要らないの?おばあちゃんこんなの捨てちゃいな!」と
ご親戚達が詰め寄る。
ご依頼者は半ばパニック状態だ。

このままだと、片付かない上に身体を壊してしまうのではないか…
勝手ながら、片付けと処分をセットにした見積もりを提案させて頂いた。
険悪なムードの中、見積もりをご覧頂くと
ご依頼者始め皆に安堵の表情が浮かぶ。

「この金額で全部片付けてくれるの?」
「お願いします!それで、いつ来て下さる?」
日程を調整し後日数名のスタッフと共にお伺いした。

作業は聴き役兼仕分け役の女性スタッフと
排出役の男性スタッフでチームを作り行う。
女性スタッフが物の要不要をしっかりと聴く事で
お客様が納得して物を手放すことができる。

根気のいる作業だが、納得感が無いと後悔につながるのだ。
4日の日数を経てダンボール15個まで絞り込み、
それ以外は全て処分する事となった。

          

ご依頼者とスタッフは作業を通じて深い信頼関係を結ぶ。
最終日には「どうぞいつまでもお元気で」と皆が心からの言葉をかける。

高齢者が家族や親戚から物が多過ぎる事を責められ、
納得出来ないまま無理やり物を捨てさせられる
ケースをこれまでも多く見てきた。

サードライフにおける高齢者のお引っ越しは
沢山の物との離別を迫られる。

だからこそ、先を見据えた物の整理を行って欲しい。
少しづつでも物と向き合っていけば気持ちの整理にもなり、
安心と安全を得そして不思議と活力が湧き上がる。
私達は最終手段なのだ。


                      





  【片づけのプロ 小林さんの話】
#01 イントロ
#02 親家片(おやかた)
#03 住まいの後始末
#04 男性の収集癖
#05 アンカーズに込めた想い
#06 高齢者のお引っ越し
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あの頃タウンの
小林さん

*あの頃・タウン*美虹町では、ときわ島在住灯台守をしつつ、不定期で昭和生まれのこれからを、応援するチア・リーダーとして活動。

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